｢気を付けなね｣
｢気をつけろって言われても・・・｣
特に害はないし。
お客として来てくれるなら、逆に嬉しいことだと思うけど。
｢それよりさ、どうなの、彼とは」
｢え？ふふ、聞きたい？」
｢うわ、しくった！」
｢最近、すっごく順調なの！ラブラブすぎて幸せすぎて夢みたい！」
思い切り惚気てみせると、加奈子はうんざりした表情。
なにさ。
自分だって、素敵な旦那様と可愛い子供っていう絵にかいたような幸せライフのくせに。
少しくらい、私の惚気に付き合ってくれてもいいじゃないのよ。
｢まぁでも、用心しなさいよー｣
｢え？｣
｢浮気よ、浮気」
｢まさか！椋平に限ってそんな事ありえないよ｣
椋平なら、浮気する前にはっきり私の事フルと思う。
それはそれで、少し悲しいけど。
