「だから、無下にできねぇんだよ。正直しんどいのに」
「しんどいんだ・・・」
「当たり前だろ?こっちが素なんだから」
素・・・。
椋平は、私には素を見せてくれてるってことだよね。
なんか、なんか、嬉しいかも。
あのにこやかな椋平が羨ましく思ったりもしたけど。
そっか。
そういう事だったんだ。
「じゃあ、いいや」
「は?」
「ううん。なんでもない」
上機嫌で笑うと、椋平は怪訝そうに眉を顰めた。
ちょっと不機嫌そうで不愛想な椋平。
それが、椋平の通常運転。
それが、当たり前の椋平の姿。
私の側では、無理しなくていいような。
当たり前の姿でいられるような。
そんな当たり前の毎日であるといい。
特別なんていらない。
椋平が、当たり前にそこにいる日々。
それだけを、求めているんだから。


