「・・・椋平?」
玄関まで引き込むとそこで未侑の事を腕の中に包み込む。
未侑は困ったように声を上げるけど、俺はただ抱きしめた。
しばらくそうしていた後、未侑の身体を離すと、頬を赤らめた未侑の顔を見た。
可愛くて仕方ないんだ。
好きで、好きで、仕方ないんだ。
どうしてうまく伝えられないんだろう。
「未侑、ごめん・・・」
どうしたらいいのかわからないんだ。
こんな事、初めてで。
こんなにも、こんなにも誰かを欲しいと思ったことも。
手放したくないと、強く願ったことも。
多分、初めてだから。
「椋平の、バカ」
「・・・わかってる」
どうすれば伝わるだろう。
うまい言葉が見つからない。
「未侑、・・・俺、ちゃんと未侑の事好きだから」
かっこ悪い俺を、許して。


