どうして未侑は、そうやって。
俺が言いたかった言葉を言ってしまうんだろう。
どうして未侑は、そうやって。
俺がしたかった行動をしてしまうんだろう。
「だから、帰ってください!」
面と向かって立ち向かう未侑。
大川はなにを言われているのか理解した様で悔しそうに顔を歪めていた。
「そういう事だから、ごめん。俺は、これからも大川の事を好きになることはないし、この家に入れることはないから」
俺も、続けてそう告げると、大川はパタパタと足音を立てながら帰っていった。
情けない。
ほんと、誰かさんの言うとおりだ。
未侑にここまでさせて。
愛しさが、こみ上げる。
「椋平・・・」
伺うような未侑の瞳。
俺は、未侑の手を取り家の中に引きこんだ。


