今はまだお客さんも少ないから少しなら話しできるかな。
そう思って椋平の隣に立つ。
「あ、あの、」
すると突然声をかけられた。
俯いてメニューを見ていた椋平も顔を上げる。
でもその声は、私に向けられたものだった。
「はい」
先ほどの、帽子を深くかぶった男の人がすぐ側に立っていたのだ。
いつの間にこんなに近くにいたんだろう・・・。
気づかなかった。
仕事中なのに、いけないいけない。
「お手洗いはどこですか」
小さな声でそう聞かれる。
「あ、こちらです。案内しますね」
そうして私はその人をお手洗いまでお連れした。
椋平のもとに戻ろうとしたら、お昼休みのOLさんたちが次々と来客し、そんな余裕はなくなってしまった。
そんな・・・。
私のエネルギーチャージが・・・。


