先輩の弟クン


蒼「そうそう!三上 蒼。覚えててくれたのかー。」

…ってあれ?

蒼「弟クン。なにやってんの?入学生は教室集合じゃ…」

大「あ、えっと…姉ちゃんを…」

姉ちゃん?てことは…いつきちゃん?

蒼「いつきちゃんは3年だから、体育館にいると思うよー。」

大「…そッスか。」

沈黙になるのを避けようと、私は口を開いた。

蒼「んじゃ私、教室行くねー。弟クンも、ちゃんと教室行くんだよ。」

そう言って、背中を向けた時、まだ言ってない言葉がある事に気がついた。

私は振り返り一言。

蒼「弟クン。入学おめでとう!」

すると、弟クンは眠そうな目を少し見開き、

大「ありがとう…ございます…」

と言い、少しだけ笑った。

その笑顔を見て、少し心がキュッとした…ような気がした。