即答かよ、と言いたいのをすんでで飲み込んだ。そんなに彼氏が欲しいのか……最近の女子高生はよく分からない。


それは俺自身があまりそういう付き合いに関心がないからかもしれない。もちろん好きな人がいるなら別だけど、好きでもない人と付き合うとかは考えられない。


由衣はどういう意見なのか知らないが、妹に彼氏ができるとなると少し複雑なのが兄心。まぁ今回来るやつらはまともだから大丈夫だろうけど、友人が妹の彼氏になるというのは……うん、なんとも言えない。


退屈しのぎの予定ができてご機嫌なのか、雑誌を見ながら鼻唄を口ずさむ由衣。



「あっ!!」


「ん?」



夕飯の仕度をしながらどうしたと顔をあげる。まさかまたやっぱりあれが食べたいとメニューを変えるつもりか?


今回はじゃがいも使いきらないといけないから我慢してほしいんだけど、それを強く言えずに毎回甘やかしてしまうのは兄の性だ。



「ねぇねぇ!その合コンってあと1人参加可能?」


「あー、1人ぐらいなら」



俺も参加すれば今決まっている人も会わせて男女比も埋まるし。兄妹で同じ合コンに行くっていうのもヘンだけど俺は傍観者の立場だから大丈夫だろう。


やった!!とますます上機嫌の由衣に首を傾げた。気になったものの夕飯の準備がまだだと俺は再び手を動かし始めた。