姉ちゃんは桃にぃの世話をしてるって言うけど、ハッキリ言ってそう仕向けているのは桃にぃだ。


わざと何もできないフリして姉ちゃんを自分のところにいるようにしてる。これ気づいたときには策士だなーと思った。


高校受験のときだって姉ちゃんの志望校さりげなく聞いたあと、自分の志望校になんとなしに誘導してその気にさせて。


しかも無理とか言う姉ちゃんに自分が付きっきりで勉強教えて結局桃にぃの思惑通りに同じところ行ったし。もうこれ策士通り越して策略家だ。




「はっ、それこそ決まってるでしょ」



おっ、と何をするんだろうと期待に満ちた目で見たら、桃にぃは不敵に笑って言った。




「ぶっ潰す」


「……おぉー」



さすが桃にぃ、姉ちゃんのことになるとブレない。拍手送ってもいいかな。



「というわけで話は今度でいい?」


「もちのろーん」



どうせ話っても雑談だし。それも主に最後は桃にぃがどれだけ姉ちゃんのこと好きかって話になってるし。