首を傾げる俺に桃にぃはニッコリと満面の笑みを向けた。



「昨日ハナを家に連れ帰ってベッドに縛りつけたのが夜の8時かそれを少し過ぎたぐらい?で、八つ当たりと今までの腹いせも込めて散々焦らして遊んで弄んで、ハナの泣き顔を楽しんで、本格的にやり始めたのが日を跨いでからだったかな?ちなみに寝るのを許してあげたのは朝の4時ぐらいだった」


「………」


「もっと言うとハナを風呂場に連れ込んで体を洗ってあげてたんだけど、そのときにハナが起きちゃって。嫌だって羞恥に悶える姿とか、もうかわいくて堪らなくてさ。しかもお風呂のせいかほんと新鮮な果実みたいに色づいて潤ってて、我慢できなくて食べちゃったらハナのぼせて気ぃ失っちゃった」


「…………」



やばい。姉ちゃんが哀れに思えてきた。


さっき思ったこと撤回して謝りたいぐらいに可哀想に思えてきた。



「桃にぃ……」


「だってハナが煽るんだもん」



思わず非難の視線を送ったけどけろりと返された。それにしてもやりすぎだよ。



「……ちゃんと夕飯のときにはこっちきてごはん食べなよ」


「分かってるって」



本当に?と言いたかったけど、桃にぃはヒラリと手を振って家の中に入ってしまった。


不安と疑念を抱きながらもずっと桃にぃの家の前で待っているわけにもいかず、俺は後ろ髪を引かれながら徒歩数分の自分の家に帰った。


そして夕方に帰ってきた姉ちゃんといっしょにきた桃にぃ。


げっそりとしている姉ちゃんに対して生き生きとしている桃にぃに、俺は再び姉ちゃんにエールを送ったのだった。






Fin.