は?何それおいしいの?





あたしの顔が余程困っているように見えたのか、なしのん兄は「じゃあ、」と質問を変えるようだ。



「さっき聞いてて思ったっことがね、その桃くんが恋愛とか異性とか全般に興味がないって言ってたとき、実花ちゃん、ちょっと諦めているように感じたから」


「へ?」



諦める?


その言葉がしっくりこなくて首を傾げたあたしになしのん兄は「えっとね、」と少し続きを考えるように視線を落としてから口を開いた。



「だって実花ちゃんが前提としていることって『桃くんが恋愛に対して興味を持っていない』ってことでしょう?」


「はい…」


「じゃあその前提である『恋愛に興味がない』ってことを取っ払って考えてみたら?」


「え……」



いきなり言われたことに困惑が拭えない。恋愛に対して興味のある桃?普通なら「何それ天変地異?!」って騒いでいるところだ。


だってあたしの知っている桃は間違ってもそんな言葉が似合う人じゃないから。



「由衣から聞いたけど、桃くんってかっこいいんだよね」


「え、あ、そうですね」



学校でも人気ですよ、と言ってみる。まぁ間違ってはない。ただちょっと変人ってだけで。


軽くその辺にいるへたなモデルよりもかっこいいと思う。身内(?)の贔屓目みたいなところもあるけど。



「へぇ、じゃあ桃くんがその気になれば女の子なんてホイホイ釣れそうだね」


「あはは……」



釣れそうって、まるで女の子を魚か何かのように、いや、あながち間違ってはないけど。そりゃあんなにかっこよかったら簡単にモテてそうだけど。


現に今だって変人なのに告白してくる子はいっぱいだし……