なしのんの気分はどうやらチョコらしく、結局その希望通りにあたしはチョコを注文した。お腹空いてたらマンゴーも食べようかな、と呟いたときなしのんに呆れたような視線をもらったけどそこはスルーで。
人の歌う曲をBGMにして(ちょっと失礼だけど興味がないのだから仕方ない)あたしはタダごはんを楽しんでいた。
一段落して周りを見るとグループみたいなものができていて、今さらながらに今あたしは合コンに来ている真っ只中なのだったと感じてしまった。
でも彼氏とか作る気はないからなぁ。ここに来たのだってなしのんに頼まれてタダごはん食べに来ただけだし。
そのなしのんもなんだか楽しげに男の人と談笑しているから話しかけづらい。
ここで「あたしを1人にするなんて…!」となるのは責任転嫁も甚だしいと思う。でもあたしをここに連れてきた張本人なのだから少しはこっちに気を使ってほしいとも思わないでもないような……
仕方なしにまた何か食べようとメニューを開くと誰かがあたしの隣に座った。顔を上げてみるとなしのん兄で。
思わず呆けてしまったあたしになしのん兄はニッコリと「何か食べるの?」と王子さまスマイルを炸裂させていた。わ、眩しい。心なしか後光も見えるわ。
「実花ちゃん?」
「あ、えと、はい。せっかく来たし……」
「じゃあ俺も何か頼もうかな」


