やれやれとわざとらしい雰囲気を出しながら稔は「分かったよ」と言った。このときだけだけどなんていい弟なんだ。このときだけだけど。
「てか姉ちゃん、なんでそんな桃にぃに会うの嫌がるんだよ」
「っ、み、稔には関係ないし……」
視線を合わせるのがなんとなく後ろめたいように感じて思わずそっぽを向く。
でも言える?普通言える?幼馴染みで稔にとってはお兄さん的な立場にいる桃に抱きしめられて、く、首にキスされちゃった、とか……言えるわけがない。
「…!!へぇ〜」
「……何よ」
別に〜?と突然上機嫌になった稔にあたしは訝しげな視線を送る。
「いやー桃にぃもやっとかぁ」
「? 何がやっとなのよ」
「いいのいいの。姉ちゃんには期待してないから」
「はぁ?」
どういう意味かと聞こうとしたけどヒラリとかわされて、結局分からず仕舞いのまま稔は下におりてしまった。
桃と言い稔と言い……全く以て意味が分からない。
まぁ考えてもあたしの低レベルの頭で分かるわけがないので、早々に考えることは放棄してあたしはなしのんが来るのを心待ちにしていたのだった。


