頭の中まで真っ白で状況把握が…いや、むしろ考えることを放棄してしまった。ただただ固まるあたしに桃は唇を寄せる。
「じゃないと、その前に俺が無理矢理食べちゃうよ」
「ふ、くすぐっ…いたっ」
チクリとまるで針でつついたような痛みが項に刺さった。
いったい何をしたんだと詰め寄る前に桃は体を起こして部屋の外。くっ、なんでこういうときはそんな速く動けるんだこいつ。
「あ、それは単なるつまみ食いだから」
「はぁ?」
「おいしかったよ。ごちそうさま」
それって何?今何をしたの?
かなり間抜けな面をしながら、これ以上ないと思うぐらいのにこやかな顔で去っていく桃を、あたしはベッドの上に座り、呆けたように桃を見送った。
本当に、今日の桃の奇行はいったいなんだったんだ……
その意味が分かるのはもう少し先の話だったりする。


