は?何それおいしいの?





「ハナ、今日1日機嫌よかったね」


「え、そう?」



翌日の放課後、桃といっしょに帰っているときに唐突にそう言われた。


うん、と頷いた桃。まさか桃にまでバレているとは……分かりやすいにも程がある。


なんでもないと言いながら、内心では少しドキドキしていた。


だって初めて女の子らしいオシャレするし。あたしだってそれなりに緊張もするし、期待もするし……総じて言うと楽しみなんだよ。



「そうだ、このまま家くる?」


「んー、1回着替えてから行く」


「分かった。お母さんに言っておくね」



ということは夕方6時ぐらいにくるのかな。


お母さん、桃がくるって朝から張り切ってたな……もうほんと誕生日とかクリスマスとかの何か特別なイベントでもあるんですかって感じ。


それぐらいのやる気が見えた。きっと家帰ったらお母さんは一心不乱に料理してるに違いない。



「じゃあまたあとで」


「ん、」



ヒラリと軽く手を振ってあたしは家の中に入った。思った通り、家の中はおいしそうな香りで満ちていて少し苦笑する。


本当にお母さんは桃大好きだな。まぁお母さんだけじゃなくてうちの家族みんななんだけど。


弟だってあたしより桃がお兄ちゃんだったらよかったって言ってるし。


桃って人を魅了するホルモン的なもの出してるんだろうか。アイドルとか芸能人になったら儲かりそうだ。