虹色のラブレター


僕はソファーから立ち上がった。


『うん。じゃ、行って来る』


「あ、楽しいかも知れないけど早く出てきてね」


僕は千鶴に目で「何で?」と聞いた。


「だって、一人じゃつまんないじゃん」


千鶴は子供みたいな言い方で、口を尖らせて言った。

その言葉が嬉しくて、だけど恥ずかしくて、僕は少し俯いてバスルームの方に向かった。


すると、千鶴は「で、上がったらこれ着てね」と言って、両手を広げてみせた。


『え?マジで?普通着ないでしょ?』


「駄目だよ、着なきゃ!!服で寝る気?」


確かに……それもそうだな、と思った。


千鶴はソファーの、僕が座っていた場所に座って、笑顔で僕に小さく手を振っていた。

僕はそんな彼女に笑顔で返して、バスルームに入った。