電気をナツメにして、お互いの布団に入ってから、僕たちはいろいろな話をした。
「智って、唄上手だよね」
『そう?かな……』
「うん。去年、みんなでカラオケ行った時に思った」
『高校の時、ずっとバンド組んでたんだ。超ド下手なコピーバンドだったんだけど』
「そうなんだ?ギターとかも弾けるの?」
『うん、まあ……一応。下手なりに』
「すごいじゃん」
『全然すごくも何ともないよ?本当にすごい人はそれをずっと続けてる人だよ』
「もうやめちゃった?」
『うん。やめちゃった。またやりたいな~とは思うけど……仕事してるとなかなかね……』
「また始めたら一番に教えてね」
『いいけど……』
「見てみたい」
『そう?』
「うん。智はどんな音楽聴くの?」
『そうだね~いろいろ聴くけど……あ、B`zは好きだよ。』
僕は千鶴が、去年のカラオケの帰りに車の中で、「B`zが聴きたい」と言ってたことを思い出して言った。

