お風呂から上がった後は、二人でテレビゲームをしたり、トランプで占いをしたりして過ごした。
初めてのお泊りは、あっという間に真夜中になった。
そろそろ寝ようか?ということになった時、寝場所が問題になった。
「下の布団は一応2枚あるの」
千鶴は奥の和室からそれをひきずってきた。
『うん。それだけあれば十分だよ』
僕はテーブルを部屋の壁際に寄せて、布団を2枚並べて敷いた。
そして、クッションを枕代わりにして寝転んだ。
千鶴は隣の布団の上に座り込んだ。
しばらく黙ったままの千鶴の顔を下から見上げると、その表情はいつもの千鶴らしくない、何かを言い淀んでいるような表情だった。
『どうしたの?』
「……ううん」
『何?』
「え?……い、一緒に寝たりしない?」
千鶴はどんな気持ちでそう言ったのだろう?
僕はそれを考えることもなく、すぐに答えた。
『寝ないよ。でも、俺が隣の布団に居たら寂しくないでしょ?』
千鶴は僕と目を合わせて、笑顔を見せた。
「うん。ありがとう」
千鶴はどんな気持ちでそう言ったのだろう?

