僕は足をブランブランさせて、千鶴の丸い狭い肩に、遠慮気味につかまった。 自転車は下り坂を一気に駆け下りていく。 「速い~!!」 千鶴は風を切りながら、嬉しそうに言った。 気持ちよかった。 楽しかった。 幸せだった。 千鶴と一緒に居ることが夢のようだった。 この時間がずっと続いたらいいのに。と思った。