〜中学生〜

ピンポーン。

チャイムが今日も鳴る。

「小ゆりちゃ〜ん！宗佑君来たわよ」

「はい！今行きます」

母さんの声に元気に返事して、階段を駆け下りる。

「いってらっしゃいませ、小ゆりさま。お気をつけて。」

「はーい！」

玄関を開けてくれた爺やにも返事して、走り抜けた。

「いってまいります！」

振り返って家のほうに大きな声で挨拶する。

『いってらっしゃい！・いってらっしゃいませ。』

母さんも爺やもメイドさん達も、みんなが笑顔でそう答えた。

それを背中で聞きながら、宗佑の元に一気に走りこんだ。