さて、行きますか。 購買へ行こうと椅子から立ち上がったときだった。 「加山 美穂いる?」 昨日聞いたばかりの声が教室の前のドアからした。 まさか… 「加山 美穂?えっと…」 やっぱり、近江 佑樹! クラスや人に聞いたのが間違い。 私は覚えられていないから、座席表を確認しなければわからないだろう。 ならば、このまま後ろのドアから出よう。 幸い私は後列の窓側。 できるだけ音をたてないように席から離れ、姿勢を低くしてドアまで進んだ。 よし、このまま行けば見つからない。