最低なあなたに



「彼女はいないそうです。


けど…」


「やったーぁ!」


けど、好きな人がいる。


そう言う前に川上さんの喜びの声で遮られてしまった。


「あの…」


「ありがとね、美穂ちゃん!


私毅先輩には絶対彼女いると思ってて、それでも…」


嬉しそうにペラペラ話し出す川上さんに、


好きな人がいる。


なんて事を伝えられるわけがなかった。