「そーだそーだ、俺は所詮前座の身でした。んじゃ、俺一人で食おーっと。お前のおごりな」


相川が勢いよくメニュー表を閉じる。


「なんでよ?!電車代めっちゃかけてわざわざ出てきたんですけど」


あたしも負けじとアピールする。


「え、何お前、夢に向かって突き進む大事な友達が、金ないの知ってて、その貧乏具合で張り合う気?ひでぇ!!」


相川が自分の隣の大きなバックを指差す。


つられてあたしもそれを見る。


知ってるよ。
あんたが今、頑張っているってことは。