「……ねぇそれ何入ってんの?」


ガサガサとあたしの正面に座る相川の隣の席には、小学生くらいなら楽々入りそうな大きな黒いバック。


「あーもー俺暑くて死にそうだからアイスコーヒー」


「……この距離でその完全無視も大した度胸ね」


えー?とかなんとか言いながら、メニュー表を手に取り見始める相川。


「な、このクラブハウスサンド、半分こして食わねぇ?腹減って死ぬ」


暑くて死んで、お腹すいて死んで……大忙しだな、こいつは。


「やめとく、これからさっちゃんとご飯だし」