『…おはよー。』






『おはよう、有紗。』






『お兄ちゃん、おはよう。』






私は新学期から、努力をしようと思った。
少しでも葵を困らせないように、
早く他に夢中になれるものを見つけようって。






髪も綺麗に巻いて、
メイクも少しして。






『有紗、なんか気合い入ってんな。』





『まぁね。行ってきます。』







外に出ると、雫と陽葵が家の前で待っていた。





『有紗可愛い。』




『なんか、変わったな。』






『でしょ!これからはちゃんと自分磨きするんだ。葵は?』





『寝坊じゃないかな。先に行く?』





『そうだね。』






三人で学校に向かって、教室に入ると、いろんな人が声をかけてくれた。






『なんかさ、田辺可愛くね?』






『それ思った!なんか、女子の中で一番なんじゃね?』






『有紗!!なに先に行ってんだよ!』






『ごめんごめん、葵。』







『ったく。明日からおいてったらダメだからな!』






『はいはい。』







葵はいつもどおりで、
少し意識してた私が恥ずかしいくらいだった。






『葵くーん!』






『友梨。どうしたの?』






『あのね!ただ会いたかったの!』







あの子が、葵の彼女。






『あーりさ。英語のノート貸して。』






『陽葵、気遣ってくれたんでしょ。』






『…まぁね。葵も気づいてないみたいだし。』




『大丈夫だよ。陽葵ありがとう。はい、ノート。』




『ありがとう。後で返しに来る。と、お礼にジュースおごるから後で購買一緒行こう。』




『了解。』







そして、お昼の時間になり、
陽葵がノートを返しに来た。





『陽葵ー、雫ー、有紗、昼食べよー。』





『あ、悪い。俺今から有紗と購買行ってくる。』




『…あ、うん。』






私は陽葵と話しながら購買に向かった。






『陽葵、何かと陽葵ってお兄ちゃんみたいだよね。』





『有紗は断然妹だな。』






『…陽葵、私ね、陽葵がいてよかった。』





『そんなこと言っても俺の恋心は揺れねーよ?』





『そんなの知ってるし。』






二人で笑いあって、教室に戻ると、
雫しかいなかった。





『葵は?』






『…彼女からの呼び出し。』





『そっか。じゃ食べよっか。』






『有紗、』





『私もさ、彼女いる葵に慣れないとさ。大丈夫だからね?私には陽葵と雫いるし!』






そして、お弁当を開いたとき、
葵が戻ってきた。