『有紗ー?陽葵くんから電話よー。』






私はママの言葉に、体にタオルを巻いて、電話のところに向かった。








『もしもし、陽葵?』






『あ、有紗?…今日ごめんな。』






『へ?どうして陽葵が謝るの?』






『…俺が喧嘩しなきゃさ、有紗は言わなくて済んだのかなって。あの後、泣いたろ?』






『…よく分かったね。陽葵は優しすぎるよ。』





私は、涙をこらえた。
絶対泣いてはいけない。
もう泣かないんだ。







『…だけど、陽葵のせいじゃないよ。私は自分で決めたんだよ。』





『…有紗、強がってるだろ?』





『…どうして、陽葵は全部気づいちゃうかな。』





『…何年の付き合いと思ってんだよ。』






『…陽葵、ありがとう。』






私は涙があふれる前に、お風呂に戻った。
ママたちには絶対に見られてはいけない。