四人の幼馴染み

『あの、陽葵、ごめんね?』






『ん?』






『私が、雰囲気壊しちゃったよね。あの、雫にも話さないでくれたのに。』





『そんなの当たり前じゃん。有紗は気にしなくていいの。今はさ、とりあえず頭冷やしたい。』





そう言って笑う陽葵。
いつもの陽葵だ。





『あのね、陽葵。葵があんな風に言うのには理由があるんだ。』





『理由?』






『まだ、雫と陽葵と出会う前。多分3歳くらいの時かな。』






私と葵は、2人で公園にいた。
その時に、私に意地悪してくる男の子がいて。
私は泣いてたんだ。


葵は何かを取りに行ってて。






『有紗?!どうしたの?!』





『……どうしていつも私だけ意地悪されるの?』





『…有紗、何かあったらなんでも話してね?絶対なんでも話してね?』





『うん。葵にだけは話す。』






そんな約束をしたんだ。






『まさか、葵がその約束をまだ覚えてるなんて思ってなくて。』




『けど葵、約束とか大切にしそうだよな。けどそれは有紗のせいじゃないし、葵のせいでもない。俺だって、雫に全て話せてるかって言われたら、危ういとこだよ。』






『陽葵でも?』





『俺もさ、そんなにオープンなわけじゃないんだよ?』





『…そっか。』





『ま、とりあえずさ、思い詰めんなよ。』






陽葵はそう言って、わたしの頭をなでてくれた。