「菜奈…」
そう聞こえて後ろを振り返ると
瞭我が起きていた
「瞭我…月が綺麗だよ」
「ん…本当だ
………菜奈、いるのか?そこに…」
瞭我はしきりに菜奈の名前を呼んでいた
寝ぼけているのか本気なのか分からないが
菜奈を想っていることは分かっていた

やがて恵実も起き出した
「早いよ二人とも…
…わあ、綺麗だね!」


AM0:00
今日と明日をまたぐ月、僕ら
家出初日の終わり
僕らは月を眺め続けていた


それが菜奈だと信じて