家出計画

弾んでいく会話
そんな中で
「…菜奈もいればよかったな…」
瞭我がポツリと呟いた

しん…と静まる
何を言えばいいか分からない空気

菜奈
水崎菜奈
瞭我の幼馴染みだった中一女子
何回か会ったことがあったけど優しくて笑顔が可愛かった
でも
菜奈は
母の虐待に耐えかねて
電車に飛び込んだ
今年の6月
雨が異常に寂しい降り方をしていた日だった

「あ…ごめん…」
瞭我が謝る
「大丈夫
そうだよな
菜奈も入れてあげないとだよな」
「うん
友達だもんね」