にじいろ からふる。





いつもと同じ人気のない小さな神社。

いつも通りのお参りをすませ、それから、いつものように家に帰ろうとした。

「今のままで満足してるのか?」

帰り道空中から聞こえる声。

「だれ?」

振り返ってもあしもとをみてもだれもいない。
きこえるのはただのこえだけ。

「ワシは珀(ハク)。この神社で祀られる神じゃ。」

「ふーん。で、そんなやつが私に何の用?」

「ホッホッホ、強気じゃの。なに、取ってくおうなんて思っていない。ただ、お前の持つその不思議な力、ほんとにそれを使うことで満足しているのか?」

「うん。満足してるよ。」

「そうか、」

ため息のように落胆しながら珀は唸る。