授業はまだ終わっていません                ~青春は理科室にて~

私は先生が現れたことよりも、先生の格好に少しばかり衝撃を受けた。

手には『県立雲雀ヶ原高等学校第63年度卒業』の文字と大きな校章がついたマグカップ。

肩には、こんなの誰が買うのだろうと思っていた、購買部で売っている雲雀ヶ原高校オリジナルフェイスタオルをかけている。

前から聞いてたけど、どんだけ自校好きなんだ、この人。



「えっと、亘理先生に会いに来たんですけど、どこに行ったか知りませんか?」


谷口先生はコーヒーが入ったカップを片手に、亘理先生の隣の席に腰を下ろした。


「ああ、亘理先生なら校長室行ってから第二理科室行くって言って、10分前に出てったぞ。」


聞いといてなんだが、なんでこの人こんなに詳しく知ってるんだろ?


隣の席だし、亘理先生と仲良いのかな?

まあいいや。


私は谷口先生にお礼を言って職員室を出た。



すれ違いか~

でも、うまくすれ違えて良かったのかも。

もし、あのまま第二理科室にいたら先生と話してるところ見られてた可能性だってあるんだから。