授業はまだ終わっていません                ~青春は理科室にて~

「それ、"頼む"じゃなくて"脅す"って言うんですよ。」


「まぁ、そうとも言う。」



いつもはへらへらしてるくせにたまに桃先輩はサラッと怖いことを言う結構腹黒い面がある。



皆、桃先輩にこんな一面があるなんて知るよしもない。



「でもさ、顧問の先生見つけないと、部活の話も始まらないだろ。」



「うっ…確かに…」




目の前に置かれたノートを前に正直躊躇う…


顧問の先生は部活を立ち上げる上で必須事項…


だけど、人の道を外れてまでやることなのか…


チラリと教室の奥に目をやる。



ホルマリンのビンが並ぶ棚の横、人体模型と背の低い骸骨の隣に先生は微動だにせず立っている。


「………」


もしかしたらただの勉強用のノートかもしれない…


いやいや、もしそうだったとして見ていいとはならないでしょ!


でも、中身によるんじゃ…


年季が入って、凄く大事に使われているのが分かるけど、ただの勉強用のノート…


勉強用のノート…


凄まじい心の葛藤の末、私はそのノートに手を伸ばし…





「人の物を盗み見ようとは、感心しませんね~」


その声で、手を止めた。


「先生!」