授業はまだ終わっていません                ~青春は理科室にて~

もう行こう…


罪悪感に押され立ち去ろうとした時、少し離れた、廊下の隅に置かれていたストレッチャーの下に"それ"が落ちているのが目に入った。


拾い上げたそれは、とても年季が入った、コミック本くらいの大きさの日に焼けたピンク色のノートだった。




これ、絶対先生のだよ~





亘理先生がこういう色のノートを持ってるのは意外だけど、こんなところに不自然に落ちてるなんて、先生がさっき落としていった物と考えるのが妥当だろう。





ますます会いにくくなっちゃったけど…
明日、返しに行こう…















黄昏時、私は早めに部活が終わった桃先輩と理科室にいた。




「それ、亘理先生の旦那さんじゃねーかなー」




黒い大きな実験用の机の向かいで、体格からしたら小さい丸イスに器用に片膝を立て先輩は座っていた。


「えっ!?先生結婚してたんですか!?」