「そう言えば、桃先輩。」



ふと、先程からずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。



「さっき、第二理科室鍵掛かってませんでした?」



「掛かってたよ。」




そうですよね!?やっぱり私間違いなく掛けましたよね!?



「なら、どうやって入って来れたんですか!?」



「それは、ほら俺、魔法使いだから。
こう、ぷいぷいっと。」



立てた人差し指をくるくると回して、魔法を掛ける様な仕草を真面目な顔でするもんだから、私は一瞬「マジで!?」と本気で思ってしまった。


いつもならまたバカなこと言って!となるんだけど、先生のことがあるから、この世には小説やドラマとかに出てくる空想上の住人が他にもたくさん存在しているのかしれない…



とまで思ったが…








いやいやいや、桃先輩はない。



桃先輩が魔法使いなはずがない。



「ありえませんから。」



今その冗談笑えませんから。