授業はまだ終わっていません                ~青春は理科室にて~

『だったら、こんなところで油売ってないでさっさと文室行って下さいよ!』って抗議は飲み込んで、先輩を引きずるようにして教室を後にした。



だって一秒でも早く、目を輝かせる女子達の視線から逃れたかったから。
あの中に桃先輩の過度なファンがいないとも限らないし。






文化祭実行委員会室、略して文室は中央棟2階の端にあった。




ここからなら新校舎の階段を上がって直ぐだ。


階段まで来ると桃先輩はやっと私から離れ、二人並んで階段に足をかけた。



「泉も代表になったのか?」



"も"ってことは桃先輩も代表者か~


まぁ、文室に用事があるって言ったらそうだよね…





「そうですよ、残念ながら。」



「そうか~俺達敵どうしなのか。
だが、泉になら指輪渡してもいいぞ!」



「いりませんよ。桃先輩のなんか。」




指輪は自分の力で獲得したいのは勿論だけど…
桃先輩の指輪を何の勝負もしないでもらっちゃったら女の子達の仕打ちが怖い…




「えーーなんかってなんだよ、なんかって~
お兄ちゃん悲しいな~泉はいつからそんな可愛いげない子になったのか…」



「産まれた時からこんなんですよ。
もう、さっさと選定用紙提出して部活行って下さいよ!」



「それに、最近妙に冷たいよな~
一緒に帰ろうって言っても用事があるとかなんとかさ~」



「それは仕方ないじゃないですか、本当に用事があるんですから。
それに、桃先輩毎日部活なんですから、一緒に帰るとなると待ってなくちゃならないし。」




とは言ったものの、実際は避けていたりする…

やっぱりファンの目は怖い…