「結城……くん……」




寝言で、大原が俺の名前を呼んだ。




男怖いのに、俺のこと待ってくれたんだよな……。




遅くなって


いつも泣かせて。




「ごめんな……」




俺は、大原の頰に手を伸ばし、そっと涙を拭う。




あの日───図書室で大原の手に触れた時

大原の手は震えてた。




それはやっぱり、まだ俺のことを怖がってるってわけで。










なぁ、大原。





好きだ





そう言ったら、あんたはまた、俺のせいで泣くのかよ。






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