そして、校門の前に着いたところで立ち止まる私。




「あの、私は友達を待ってます」




「ん、じゃ、また今度」




そう言って帰ろうとした結城くんを、


「あ、あのっ、」


私は出せる限りの声を出して呼び止めた。




「結城くん、用とかなかったですか?

なんか付き合わせちゃって、ごめんなさいっ」




私と話し込んじゃったせいで、結城くんの帰る時間が遅くなっちゃいました…っ。




下げていた頭を上げ、恐る恐る結城くんの方を見ると、結城くんは綺麗な唇の端を上げて、ふっと微笑んでいた。




「いーよ、別に。

あんたといるの楽しいし」




「ほぇっ……」




そして、私に背を向けるとひらひらと手を振りながら歩いて行く結城くん。




また……


また、心臓を乱されちゃいました……。