うぅ〜、最近おかしいです……。
顔が熱くなって、身体も熱を持って。
ずっと微熱が続いてるみたいです、私……。
ふわふわした心地のまま、一番上の段に並べられた数学の本を取ろうとする。
だけど、手が届かなくて。
あとちょっと、あとちょっと……。
身体が伸びる最大限まで背伸びをしていると。
ふわっ……
甘い香りが鼻を掠めたかと思うと、私の身体は、私の手は、優しい体温に包まれていて。
───っ……
後ろから結城くんが手を伸ばし、私の手に自分の手を重ねる様にして、私が取ろうとしていた本を取った。
それはまるで、私の身体を後ろから覆うように。
ありがとう、
そう言いたいのに、私の心臓は今にも爆発してしまいそう。
私の手から結城くんの手が離れるまでのその時間が
永遠のように感じられて。


