「勉強とかしたことねーけど、あんたが頑張れって応援してくれたら、頑張ってやんねーこともない」
「へっ?」
結城くんが、くいくいと手を動かす。
い、言えってことですか?
緊張するけど、これも結城くんに頑張ってもらうため……っ!
私は唇を噛み締め、そして持ち合わせているちっぽけな勇気を出して、
「が、頑張ってくださいっ!」
そう声を上げた。
すると、
「っしゃ、じゃあ頑張ってやるか」
結城くんはそう言ってくしゃっと笑うんだ。
……もう、その笑顔、反則です。
あまりにもその笑顔が眩しくて、
なぜか、気づけばじわじわと顔が熱を持っていて。
「あ、あのっ、本取ってきますっ……」
その頰を見られないように、ガタッと立ち上がると、くるっと背を向け急いで本棚へと向かう。


