せっかく最近、顔を見るのは慣れたはずなのに、また振り出しに戻っちゃった気が……。
「勉強してたんだ?」
俯いていると、結城くんが私の前の席に座った。
「は、はい。
テスト近いので……」
「あっ、テストあんだっけ。
すっかり抜けてたわ」
ええっ!
結城くんはあっけらかんと、そんなこと言ってますけど……。
「あ、赤点3つ取ったら、留年なんですよ……?」
「え?」
そ……そんなこと、嫌です……。
結城くんが留年なんて、そんなの……。
「留年、なんて、しないでください……っ。
結城くんと離れちゃうのなんて、嫌です……」
気づけば、熱いものがポロポロと頰をこぼれ落ちた。
だって、想像すればすれほど、胸がきゅーっと苦しくなるんです……。


