結城くんがぱっと目を見開いた。




「は?

男嫌いなあんたが何言って……」




「怖いけど、でも結城くんの手が冷えちゃうのは、もっと嫌です……」




そう言って結城くんに背を向け、そっと後ろに手を差し出す。




顔を背けたのは、怖さを我慢するのを見られたくなくて。




手が震えないように力を込めるのに、だめだ、ちょっと震えてる。




すると、その手が包まれた。




震えなんてさせないくらい、力強くぎゅっと。




すっかり冷えた結城くんの手。




なのに、なんでかすごく温かい。