────────……
──────……
───……
「ん……」
自分の漏らした声に、私は目を開いた。
そこには、真っ白な天井が広がっていて。
「あら、起きた?」
その声と共に、コツコツと誰かの足音が聞こえたかと思うと、真っ白なカーテンが開け放たれ、ひょっこり保健室の先生が顔を出した。
「あ、はい…っ」
「熱も下がってきてたみたいだし、スヤスヤ気持ち良さそうに寝てたから、起こさなかったんだけど」
そっか、私、あの後また眠っちゃったんだ……。
「あなたが寝てる間、マラソン大会盛り上がってたわよ」
「え?」
「なぜか途中姿を消した子が、再スタートして、まさかの1位」
え……?
もしかして……
「それって……結城くんですか?」
「あら、よく分かったわね。
女子の歓声凄かったんだから。
やっぱりモテる男は違うわね〜」
感心したような声を上げる先生。
だけど私は、相槌を打つことすらも忘れていて。
結城くん……。
まさか、1位になったなんて……。
やっぱりすごいです……。
たまに、魔法使いなんじゃないかって思うくらい。


