そして、いたずらっ子みたいにニッと笑うと、結城くんは保健室を駆け出て行った。
そしてベッドの上から、去っていくその背中を呆然と見つめる私。
「……結城くん……」
保健室に、ぽつりと放たれた私の呟きが、誰にも届くこともなく消えていった。
なんで、君は全部お見通しなんでしょうか。
結城くんには、敵いません……。
身体が限界に達したようで視界がクラクラしてきた私は、目に腕を当て、ばたりと崩れ落ちるようにベッドに身体を倒す。
そして、ふっと再び意識を手放した。
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