走って走って、非常階段で足を止めた。 「はぁ、はぁ……」 壁にもたれると、そのままずるずると身体の力が抜けていき、その場に座り込む。 さっき、結城くんに掴まれた手首がまだ熱を持ってる。 庇うようにその右手首を左手で包みながら目を閉じると、思いだすのはあの日のこと。 もう、思い出したくないって思ってたのに……。 あの日──それは中学2年生の冬。