美彩紀さんが私に背を向け歩き出し、教室のドアを開けた。 その背中は、やっぱりしゃんと伸びていて、かっこよくて。 「あ、ありがとうございますっ……」 その背中に届くよう、大きな声をあげると 美彩紀さんは前を向いたまま、手を挙げた。 「ま、せいぜい詐欺にかからないことね」 最後まで、なんだか美彩紀さんらしくて。 辛かったけど でも、それ以上に美彩紀さんに出会えて良かったって思えるのは、美彩紀さんが魅力的な人だから。