「な、なによっ……。
偉そうに……。
別れろって言った私が憎くないの!?」
美彩紀さんが、きっとこちらを睨みつけた。
でも……
「悪い人に思えなくて。
だって、真紘くんのこと好きな気持ちは一緒だから」
「え……?」
「だけど、私は弱虫で、思ったことも言えなくて。
だから、うらやましく感じるんです。
自分をしっかり持った美彩紀さんのこと」
私に持ってないものをたくさん持ってる人。
だからこそ、比べて自分に失望もするけれど。
「美彩紀さんに真紘くんの彼女として認めてもらえるように、私、頑張りますっ…」
すると、美彩紀さんがくっと唇を噛み締めた。
「バカじゃないの……?
ほんとお人好し……。
私、あんたのこと騙してたのよ?」
「え……?」
騙してた……?
「私は結城くんの元カノなんかじゃない。
違う中学に通ってた頃から、ずっと片想いしてたの」
「美彩紀さん……」


