「これ、大切にしなさいよ。 わざわざ家まで持ってきてくれたんだから」 ウインクをひとつして私に封筒を渡すと、お母さんはるんるんしながら小走りでリビングに戻っていった。 取り残された、私と手の上の封筒。 なんでしょう……。 真紘くんの手紙ってだけで、ドキドキしてくる。 だけど、意を決して封を切る。 恐る恐る手紙を開き、私は手紙に目を落とした───。