すると、怪訝そうな表情を浮かべていたお母さんが、私の肩を掴んだ。
「ねぇ、人違いだよね?
未央は、そんな子と知り合いなわけないよね?」
「……っ」
不安げにそう尋ねてくるお母さんに、私はふるふると首を横に振った。
「私の、彼氏です」
「えっ?」
こぼれんばかりに目を見開いたお母さん。
きっと、お母さんだって想像もしなかったはずです。
男の子が怖くてしょっちゅう泣いてた私が、彼氏を作ったなんて。
しかも、相手はヤンキーくん。
曇ったお母さんの表情に、
気づけば私は必死に声を上げていた。
「でも、すごく優しい人なんです…っ。
不器用だけど温かくて、私の気持ちも分かってくれて。
いつもなぜか分からないけど、私の異変に気づいて、助けてくれるんですっ」
「未央……」


