「どうしたんですか、お母さん。
そんなに急いで」
もう学校に行く時間なのに、
と、腕時計に目を落としていると、目の前に差し出された一通の封筒。
「え? なんですか、これ……」
「ごめんね、未央。
これ、受け取っておいて、ポケットに入れたまま忘れてたんだわ」
「私にですか……?」
「うん。
すっごくイケメンだけど、髪染めてるしピアス空いてるしで、なんだか怖い感じのあんちゃんから。
未央が外出中だから、お母さんが受け取っておいたのよ」
「……っ」
真紘くんだ……。
「それって、いつですか…っ?」
「3週間くらい前だけど……」
じゃあ、離れる前の頃だ……。


