「なんだよ、そんな頭下げて」
にっと笑うその大好きだった笑顔が、今は見るのが辛くて。
私のせいで、無理させてるんですか……?
元カノさんのことを聞いてみようと思った。
元カノさんとの関係も何も、知らないままだから。
「あの真紘く……」
だけど、その声を遮るように、
「真紘ー!」
と騒がしい声が聞こえてきた。
見れば、真紘くんのお友達数人がこちらに向かって歩いてきていて。
「おはよー」「おっす」
「はよ」
ちらりと、お友達さんが私の方を見る。
「一緒に学校行こうと思ったけど、つれいるんじゃ、いいや。
また学校でな」
「おう、また学校で」
そんなやりとりが目の前で交わされていて。
私のせいで、真紘くんはお友達と話せないんだ……。
そんなこと思っちゃいけないのに、思っちゃって。
美彩紀さんなら……真紘くんにこんな思いさせないのかな……。


