【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜



「だから、結城くんと別れて。

それが結城くんの幸せだから。

彼女なら、好きな人の幸せを願うのが当たり前でしょう?」




ぐいっと顔を近づけそう言うと、くるっと背を向け、歩いていく美彩紀さん。




その背中を呆然と立ち尽くし、見つめる私。




私……何も言い返せなかった……。




悔しくて、辛くて、悲しくて。




でも、美彩紀さんは何一つ間違ったことを言ってなかった……。




ズキンズキンと胸が痛む。




それと同時に、真紘くんの顔が浮かんで。




『彼女なら、好きな人の幸せを願うのが当たり前でしょう?』




美彩紀さんの声が、頭の中でこだまする。




確かにあの2人は、お似合いです。




完璧な2人……。




胸の中のモヤモヤが吐き出されそうになって、思わず私はその場にしゃがみ込んだ。





* * ・ * ・ * *